一体型充填キャッパーはどのようにしてカード型スプレーボトルを生産するのか？

近年、カード型スプレーボトルは、そのコンパクトな形状、軽量性、そしてスタイリッシュなデザインから高い人気を集めています。このフラットタイプのボトル容器は、化粧品、日用品、パーソナルケア製品など多くの分野で使用され、新しいパッケージトレンドとして定着しています。本記事では、カード型スプレーボトルの包装工程とその課題、そしてそれを解決する一体型充填キャッパーの役割について詳しく解説します。この機械は、高速かつ高精度な自動生産を実現し、充填とキャッピングを同時に行うことで、全体的な生産効率を大幅に向上させます。

カード型スプレーボトルとは？

カード型スプレーボトルは、薄型で持ち運びが容易な平面型の容器です。
スナップキャップ構造により簡単に開閉でき、香水、ハンドスプレー、マウスフレッシュナー、除菌スプレーなど、スプレータイプの日用品に幅広く使用されています。
ただし、その形状とサイズの特殊性により、自動包装工程では特有の問題が発生します。

カード型スプレー容器の包装時に生じる主な課題

① 自立しにくい容器形状：
フラット形状のため搬送中に傾きやすく、コンベア上での安定性が低い。位置決めが難しく、充填作業の精度に影響します。

② 小口径・小容量の設計：
ノズルが容器内部に正確に挿入される必要があり、液体量を厳密に制御しなければ溢れや不足が発生します。

③ 製品切替時のクロスコンタミネーション（混入）：
異なる種類の液体を充填する際、残液やホース内の液体が混ざるリスクがあります。

④ スナップキャップの密封精度：
キャップの位置ずれや圧力不足は、密閉不良や漏れの原因となります。

これらの問題を解決するために、一体型充填キャッパーやポケット香水充填装置が開発されました。

一体型充填キャッパーとは？

一体型充填キャッパーは、ボトル供給、液体充填、キャップ供給、キャッピングを一つのシステムで自動化する装置です。
固定モールドで容器を安定保持しながら各工程を連続的に行うため、カード型スプレー容器やロールオンボトル、試験管ボトルなどの小容量製品の生産に最適です。

一体型充填キャッパーの主な特長

① 省スペース設計でライン構成を簡素化
② 非円形容器（カード型スプレー容器など）にも対応可能
③ 高精度の定量充填で液体ロスを削減
④ 自動供給（ボトル・キャップ・中栓）から充填・キャッピングまで一括処理
⑤ ターンテーブル式構造により、安定した搬送とスムーズな動作を実現

カード型スプレーボトルに最適な一体型充填キャッパー

カード型スプレーボトルの包装工程では、ポケット香水充填機の採用により、作業効率と品質を両立できます。その理由は以下の通りです。

① 高い汎用性：
交換可能なモールドやクランプ部品を使用することで、カード型スプレーボトルの搬送中のズレを防止。多様なボトルやキャップ形状に柔軟対応。

② チューブポンプ式定量充填システム（ペリスタルティックポンプ方式）：
チューブの交換が容易で、充填精度と衛生性を両立。異なる香水やフレグランス製品でも香りの混入を防ぎます。

③ 一体型構造による完全自動化：
ボトル供給、充填、キャップ供給、圧入をすべて自動化。スナップキャップやスプレーキャップにも対応し、省人化と安定稼働を実現。

④ キャッピングユニットのカスタマイズ対応：
キャップ形状に応じたカスタム設計が可能。一定の圧力で均一に押し込み、確実な密封を保証します。

⑤チューブ整列機構:
スプレーキャップのチューブをカード型スプレーボトルに挿入する前にまっすぐに整え、キャップ装着の精度を向上させます。

カード型スプレーボトル用の直線型充填キャッパーをお探しの場合、この直線型ポケット香水充填キャッパーは最適な選択です。

このタイプの特徴は以下の通りです。
① 生産要件に応じて複数の充填ノズルをカスタマイズ可能。
② 液体の飛散を防止するダイブ式充填ノズル構造を採用。
③ コンパクト設計で設置スペースを大幅に削減。
※このモデルではキャップ供給は手動となります。

まとめ

現在、カード型スプレーボトルは香水、オーラルスプレー、除菌スプレーなどさまざまな用途で急速に普及しています。
見た目がスマートで持ち運びやすい一方、スナップキャップの密閉には高精度の機械が必要です。
生産効率を上げながら品質を保ちたい場合、カード型スプレー容器用一体型充填キャッパーは理想的な選択肢です。
自動化による作業負担の軽減、製品切替の容易さ、安定した品質の維持を実現し、
― 少ない人手で、より良い製品を ― それがこの装置の最大の価値です。